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登場人物四方山話(3)

藤沢周平さんは四郎が好き

蝉しぐれ』の主人公「牧 文四郎」。この名前を付けた経緯は『人名に対する藤沢周平氏の拘り』に書かせていただきましたが、全体的に見ると『四郎』という文字の入った人物がかなり(55名)登場します。そして比較的重要な、所謂主人公に多く存在します。以下に整理してみました。太字は主人公又は重要人物と思われる人物です。

四郎が付く名前・・55名

登場人物名 役   柄 単行本名 作品名
伊四郎 盗人 立花登鑑シリーズ 雨上がり
伊四郎 幸助の兄弟子 橋ものがたり 約束
源四郎 油戸の漁師 龍を見た男 龍を見た男
権四郎 日雇い 時雨みち 亭主の仲間
信四郎 松仙の弟 花のあと 雪間草
長四郎 茶屋、井筒屋の番頭 海鳴り 海鳴り
与四郎 鳥蔵の本名 彫師伊之助シリーズ ささやく河
浅井甚四郎 徒目付 風の果て 風の果て
石塚孫四郎 石塚平助の息子 玄鳥 鷦鷯
磯貝四郎太 御兵具役 蝉しぐれ 蝉しぐれ
犬飼平四郎 治部新左衛門の隣の馬廻り役 冤罪 臍曲がり新左
伊庭小四郎 二十五石の軽輩の家柄 霜の朝 泣く母
江口孫四郎 勘定組平藩士、羽賀道場の剣士 花のあと 花のあと
大富権四郎 大富家老の縁者 用心棒シリーズ 最後の用心棒
奥村権四郎 大目付 風の果て 風の果て
小田弥四郎 昔、平藩士から執政入りした人 風の果て 風の果て
海鉾与四郎 側用人 たそがれ清兵衛 ごますり甚内
金井甚四郎 次席家老 たそがれ清兵衛 だんまり弥助
金井又四郎 番頭、後中老 風の果て 風の果て
兼平多四郎 一刀流道場を開いていた武士 夜の橋 鬼気
兼松権四郎 筆頭家老 麦屋町昼下がり 山姥橋夜五ツ
兼松四郎衛門 一番家老 静かな木 偉丈夫
河村権四郎 中老 麦屋町昼下がり 麦屋町昼下がり
神名平四郎 千石の旗本の妾腹の子息 よろずや平四郎活人剣 複数作品に登場
北爪半四郎 近習組、小野派一刀流剣士 たそがれ清兵衛 たそがれ清兵衛
駒井重四郎 近習組 たそがれ清兵衛 かが泣き半平
新谷弥四郎 粟野藩近習組藩士 竹光始末 乱心
杉谷権四郎 家老 隠し剣秋風抄 女難剣雷切り
杉山四郎右衛門 杉山道場先代の師範 龍を見た男 切腹
鈴村武四郎 昔、御小納戸役 三屋清左衛門残日録
住吉波四郎 歴史小説、主役のため対象 決闘の辻 飛ぶ猿
清宮太四郎 志野の許婚 家は無役 隠し剣孤影抄 暗殺剣虎ノ眼
滝口四郎兵衛 海坂藩郡代 冤罪 唆す
柘植孫四郎 馬廻組藩士 麦屋町昼下がり 山姥橋夜五ツ
辻 四郎兵衛 昔、平藩士から執政入りした人 風の果て 風の果て
鶴巻弓四郎 新陰流、剣の名手 暗殺の年輪 ただ一撃
仁科権四郎 御小姓頭 たそがれ清兵衛 日和見与次郎
野沢四郎右衛門 家老 花のあと 悪癖
芳賀菊四郎 物頭を務める芳賀家の養子 時雨のあと 雪明かり
檜垣四郎右衛門 直心流の師範 秘太刀馬の骨 秘太刀馬の骨
船越喜四郎 江戸屋敷用人、清左衛門の後役 三屋清左衛門残日録 闇の談合
船橋光四郎 海坂藩御用人 用心棒シリーズ 凶刃
麓 綱四郎 麓家の次男、婿入りが決まった剣士 闇の梯子 紅の記憶
宝生四郎右衛門 道場の師範 冤罪 密夫の顔
牧 文四郎 牧助左衛門の子息、後に助左衛門 蝉しぐれ 蝉しぐれ
真里谷円四郎 小田切一雲の高弟、実在の人物? 風の果て 風の果て
松村四郎治 御厩方支配 麦屋町昼下がり 三の丸広場下城どき
三宅兵四郎 十左エ門の父 流浪の剣士 隠し剣秋風抄 陽狂剣かげろう
溝江啓四郎 小寺家の客人、実は後の藩主 長門守の陰謀 夢ぞ見し
三屋又四郎 清左衛門の総領、勘定方 三屋清左衛門残日録 複数作品に登場
宮嶋彦四郎 勘定方 奉行下役 隠し剣孤影抄 臆病剣松風
宗方四郎右エ門 側用人、宗方六郎右エ門の息子 隠し剣秋風抄 汚名剣双燕
望月四郎右衛門隆英 名門望月家の先祖 秘太刀馬の骨 秘太刀馬の骨
望月四郎右衛門隆安 望月家の家老、六年前暗殺された 秘太刀馬の骨 秘太刀馬の骨
吉井彦四郎 清左衛門の幼友達 三屋清左衛門残日録 草いきれ

実に色々な四郎が居るものです。

 その他作品(海坂藩、江戸市井以外)で架空の人物として四郎が存在する可能性がありますが、(例えば長編歴史小説作品の「密謀」に『牧 静四郎』という架空の人物?が重要な役として登場します)ここでは対象外としています。

とりあえずここ迄。

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