江戸市井作品に登場する長屋名(店名)
江戸市井作品には、俗に言う裏店に名前が付いたケースがあります。海坂藩作品にはこのようなことはありません。その名前は凡そ50です。私が参考にした『江戸切絵図』にはこのような情報はないようです。したがってこれらは全て藤沢周平氏の命名によるものと推測されます。
作品から見ますと24作品に長屋もしくは裏店に名前が登場します。江戸市井作品全体から見ますと意外に少ないように思えます。逆に言えばほとんどの作品が『仕事を終えて裏店に帰ってきた』のごとき表現になっています。町名や川・橋などに、かなりこだわりをされている藤沢周平氏も、さすがにここまではやりきれなかったのでしょうか。それとも名前の付いた長屋などは実際は少なかったのでしょうか。その辺のことはわかりませんが、中々面白い長屋の名前があります。