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か「.」か、小数点記号論争にピリオド? (世界標準争奪戦 : 英語圏ピリオド vs.非英語圏コンマ)
「,
(コンマ)」か「.(ピリオド)」か、それが問題だ――小数点は日本ではピリオドだが、これは英米流。実は世界の国々ではコンマが多数派という。英語圏の
英米豪は、言語として事実上の「国際標準」を獲得した力を背景に、13日からの国際度量衡総会(パリ)で、ピリオド統一の決議を図る。だが欧州諸国などに
は文化的反発もあり、果たして“ピリオド”を打てるか。
同総会を前に米英豪はそれぞれ、長さ、重さ、時間などの単位を定める国際的なメートル法「国際単位系(SI)」で使われる小数点に関し、決議案を提出し
た。
文言は異なるが、いずれも「英語では、小数点にピリオドを使うべきだ」との主張で、米案は「小数点へのピリオドの使用が英語では非常に深く浸透しており、
これを変えるなど、考えることもできない」と、ピリオド使用を迫っている。
英語以外の言語の中に出てくる小数まで、直接に同調を求めてはいない。だが、国際的な通商や学術では英語が国際語。その上、SIは、「金額」や「割合」な
ども含め数字全般の表記にもルールを広げてきており、このため決議案は事実上、ピリオドへの“大統一”が狙いと見られる。
しかし、有力な国際標準規格機関である国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)が01年に出した「専門業務用指針」では、「ISOやIEC
の規格では、記述言語によらず、小数点にコンマを使う」と定めている。
ISOの担当者アンダース・トールさんは「言語によって違うのは間違いのもと」と統一の必要性では一致するものの、「世界ではコンマを使う国のほうが多い
ので、我々はこちらに統一した」という。
実際、英以外の欧州では、小数点にコンマを使う国が多く、「なんでもかんでも英語統一や米国流というのはかなわない」という、文化的こだわりも見え隠れす
る。
国際度量衡総会では17日に、1国1票で採決を行う。日本政府はピリオド派に同調する方針だが、軍配がどちらに上がるか、情勢は微妙だ。
ちなみにコンマ派は、位取りは、字間の開きやピリオドで表現する。
<数字の表記法>
英米流 仏独流
小
数点 12.345 12,345
位
取り 12,345 12 345か12.345
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