ガラスがワインに溶ける?
抹茶: 「開高健が、青年が「ワインがガラスに溶け味が変わる」といったことに対して、 鋭い味覚を誉めた記事があったんですよ!ガラスって溶けるんですね!
こば: 「ほんまかいな!」                  
そこで、酒のことなら「サントリー」(開高健が昔いたところ?)に聞けば分かると思い サントリーのホームページから質問をしました。
質問:ガラスはアルコールに溶けますか?

古い歴史を持つスコッチメーカーやワインメーカーがガラス瓶を用いている事からも、 また、100年以上も昔のお酒が瓶入りのまま存在している事を 考えればお分かりと思います。

との、お答えでした。


でも、抹茶は諦めず。

これが絶対溶けない理由にはならないでしょう。 おまけに瓶が消える程ガラスが溶けるともいってないぞ(^^;

昔し昔し、教授、博士、研究者と言われ、世から敬われていた 人々の中にもこんなことを言ってた人がいました。 『フェルマーの定理は証明できないんじゃないか。エッヘン!! きっとフェルマーが間違えているに違いない! 彼の単なる思いつきだろう』 と言っていたのを思い出してしまった。

実際開高 健氏もそれが(ガラスが溶け込んで味が変化していること) 分かるとは、鋭い味覚をしているとその青年を褒めていたんだけどなー
 


そこで、私も諦めずWEBで検索しガラスのことはガラス屋さんにと検索し見つけました。 大阪板硝子さん でした。
そこには、ガラスに付いて本当に詳しく知ることが出来ました。感謝感謝です。

何と何と、ガラスが水に溶けると書いてあるではないですか!
<ですから、瓶の内部に出来た水滴が溶ける可能性があるではないですか!>

そこで、またまたご迷惑をお掛けすることにして、メールを出しました。以下[>は私の文書]

----------------------------------------------------------ここから
> 実は、開高 健氏が雑誌記事の中で、「ある青年がガラスが溶け込んで
>ワインの味が変化した」という話を聞いて鋭い味覚を誉めたことが掲載されたこと を、
>社員が申し出てそんなことはない・あるという論争でした。
>
私も読んだ記憶があります。そんなの感じるはずがないと思った記憶があります。
>
> 変な質問でも、ご親切にありがとうございます。

いや、新しい疑問が、私たちを成長させてくれるのですから、何なりと
> お便り、お待ちしております。 m(_ _)m
> --
Regards. (^_^)
Aki Koyama.
小山保昭
---------------------------------------------------------まで

その後は、アルコールの濃度をお知らせし、どの位溶け出すか?を調査していただいています。
              



そして、下記のような回答を頂きました。本当にくだらない質問にも親身になってお答え下さっていただいた、大阪板硝子さん の皆様そして日本板硝子さんの皆様、ありがとうございました。この場を借りてお礼を申し上げます。

---以下

先日からの件で、条件設定では、今のところ確たるデータを探し出す事が出来ませんでした。
研究所から下記のような内容で、おおよその量としての報告がありました。

概算ですが、500cm2のガラスを水に付けておけば、100年間で以下の溶出が考えられるとのことです。
1.Na2O 6.6mg
2.SiO2  ソーダの半分以下
ただし、常に新鮮な水にさらされている場合なので、本問題のように閉じられたビンでは、溶出はどこかで飽和するものと思われます。

遅くなってこの程度しか分かりませんが、お許し下さい。
失礼します。

日本板硝子 菊田さんと言われる、物性のプロの方からの返事です。

この量から見ると、結構なNa2Oが溶出されますが、飽和の問題が在るのでしょうが、味の変化は起こるように思われます。

しかしながら、100年前に出来たぶどう酒と、それをガラスビンに詰めて、100年経過後に飲み比べる方法は、どのようなやり方で、在るのでしょうね。それのほうが疑問になります。
いずれにしても、人間のセンサーは、非常に素晴らしいもので、私達の中で、硝子の欠点検査(0.2mm厚みの硝子の中にあるバブル、傷等)の際、人の目で欠点を見つけ出しています。素材の大きさは300x400mmこれほど、いろいろなセンサーが出来、CCDによる簡単なスキャンで何とかならないかと挑戦した事が在りますが、この中に含まれる泡(バブル)の大きさは0.05mmまで検出するのに、単純に計算して6000点(300mmで)これだけでは分解能が不足で、少なくとも、その倍以上で存在が認識できます。
とても簡単には、処理速度から考えましても、現在の機械処理ではうまく行きません。
なれた女性の方がやりますと、約5秒で、この面積の欠点を検出します。(0.2mmの厚さの硝子ですので0.2以上大きな泡は決して存在しません。)
この挑戦をさせていただいたとき、人間のセンサーの広帯域、かつ、低いレベルから極めて高いレベル(音の事を考えると、針の落ちる音から、ジェット機のエンジンの音まで)までを簡単に調節できる素晴らしさは、、感心します。
余談になりました。
お問い合わせに対する、正確な返事が出来なく申し訳在りませんでした。
今後ともよろしく
以上

Regards.        (^_^)
Aki Koyama.
小山保昭



まったく、人間の造りには本当に素晴らしい!! 「神の創り給う業だ」とはまったく同感です。


続報です。(1997.9.10)・・・・・・ちょっとしつこいですが!

名誉挽回のサントリーさんです。このような答えが返ってきました。

-----以下、メール

お問い合わせの件、お客様相談室よりお答えします:
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過日はお問い合わせ重ねてありがとうございました。
お客様相談室の担当が休暇を取っておりまして、お返事が遅くなり申し訳ありませんでした。

当社の品質保証部から下記のようなコメントを貰いました。

>ご指摘の化学変化がPH・温度・湿度・時間等のある条件下ではおきるのは事実です。
>これらは原子レベルでのミクロな反応ですので、一般論としてガラスはアルコ−ルには溶けないとお返事しました。
>尚、アルコ−ルと水は分子がお互いに会合してクラスタ−を形成しているので、水溶液とはまた挙動が異なります。(水溶液ほど水素分子がイオンとして自由に動かない)

以上の様な事のようです。
無論本格的、専門的にはガラスメーカーさんにお尋ねになった方がいいかもしれません。どうしても当社は中身の安全性に関連しての観点から研究しておりますので。。。

いずれにしても、興味あるお話をお聞かせ頂きましてありがとうございました。


答え: アルコールの中の水に溶ける。(少しだけ・・・ミクロレベル)

以上、これで打ち切りです。皆さんに感謝しております。m(_ _)m